バクテリアバスター(Bacteria Buster)

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銀イオンの力

  近年、身近なところで沢山見られるようになった銀イオンの除菌・消臭グッズですが、実は人間と銀との関わりは、数千年以上も前からあったと言われています。古来の人々が好んで身に付けた指輪などのアクセサリーに日常的に使用されていました。

また、中世ヨーロッパでは皿やフォーク・ナイフなどの食器にも使われており、銀が貴重な金属だったことが窺えます。

 銀が古くから利用されてきたのは、その美しい輝きだけが理由ではありません。銀には殺菌・除菌といった効果があることを、古来の人々は科学的な裏付けがない時代から知っていたのです。

銀の持つこうした殺菌や抗菌能力は、「銀イオン」によるものですが、銀イオンの除菌・消臭効果の仕組みやその安全性はどのようなものなのでしょうか。

銀イオンの除菌力

 銀イオンとは、銀を水中で電気分解させることにより溶出するものです。銀イオンの殺菌効果を世界で最初に発見したのは、ドイツのG.クラウスでした。1929年、クラウスは銀イオンの水溶液に優れた殺菌効果あることを証明し、コレラ治療法に役立てました。

イオンとは、原子または分子が電子を放出するか受け取るかして電荷を帯びた状態のことを言います。このとき正(+)の電荷を持っていると陽イオン、負(-)の電荷を持っていると陰イオンと呼ばれます。

 銀イオンは、銀(元素記:Ag)が正(+)の電荷の帯びたイオンなので「Ag+(エージープラス)」とイオン式で表される陽イオンということになります。

水中に溶け出したプラスの電荷を持った銀イオンは、水中を漂うマイナスの電荷を持った菌に付着して菌の活動を抑制させます。これを繰り返すことにより水中の菌が無くなっていき、除菌作用が発揮されるという訳です。
 銀イオンは、微生物を構成する蛋白質のジスルフィド結合(−S−S−)・水素結合・チオール基(−SH)などをアタックして、それらを切断・変性します。その結果、微生物の細胞膜の損傷や、酵素の失活による代謝機能の阻害などを起こし、微生物を死滅させます。

 これが銀イオンによる除菌作用ですが、銀の除菌効果作は銀イオンによるものだけでなく、銀の酸化力の強さによる活性酸素の効果もあると言われています。

 銀イオンの除菌・殺菌効果については、大学や研究機関による様々な実験によっても確認されています。銀イオンの殺菌効果は、レジオネラ菌、大腸菌、ブドウ球菌、一般細菌、MRSA、ヘルペスウィルス、赤痢菌、緑膿菌、ポリオウィルスロタウィルスなどほとんどの菌に対して有効です。
アリゾナ大学で行われた銀イオンの殺菌効果評価試験では、以下に記したものを含め多くの細菌やウィルスに効果があることがわかっており、650種類以上の菌に有効性を示したとの報告があります。

細菌症状
ブドウ球菌耐塩性があり、化膿性炎症として膿皮症、中耳炎、肺炎、肺血症、心内膜 炎、骨髄炎などのほかに食中毒の原因となる
サルモネラ菌チフス性疾患や急性胃腸炎を起こし、髄膜炎、関節炎なども引き起こす。
赤痢菌細菌性赤痢を起こし、水を介して経口感染する。大腸粘膜細胞内に侵入して化膿性炎症を起こす。
クレブシェラ気道、尿路などから感染し、肺血症を起こす。
レジオネラ属菌水中あるいは土中に存在し、人が飛散した水滴を吸引することにより(気 道感染)、肺炎などを起こす。
シュードモナス水中に分散し、多くの菌種が消毒剤、紫外線、抗菌剤に抵抗性で難治性感染症の原因になりやすい。
ポリオウイルス小児麻痺を起す。経口的に感染して咽頭や腸管で増え、その後血中に出て 中枢神経に達し、主として脊髄前角の運動神経を破壊し、四肢に麻痺を起こす。
ロタウイルス乳幼児の下痢症(仮性コレラ、白痢)、学童の集団下痢症の主な原因ウイルスである。
ヘルペスウイルス持続感染を起こしやすく、水痘・帯状疱疹のウイルスを含む。
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銀の安全性

 銀は、古くから食器として使用されていたり、歯科医が入れ歯に純銀を使用したり、目の感染病の治療薬として硝酸銀溶液を使用したりするることもあります。今まで、銀が明白に人体に有毒であるという説は報告されていません。
 時々、水俣病の原因となった『水銀』を『銀』と勘違いし、銀まで有毒だと思い込んでいる人がいますが、銀は有毒な水銀とは元素記号が異なるように全く違う物質です。人が銀は多量に摂取しない限り無毒なのです。
 実は銀(Silver,元素記号Ag)とは、非常に古典的な物質で、抗菌剤だけではなく、食品添加物として使われることが許可されている安全なものです。
実際の使用例として、製菓材料の砂糖菓子のアラザンや、昔ながらの清涼剤である仁丹の表面の銀色には、銀箔が使われてます。

 銀の硬貨を井戸の底に沈めておくと、その井戸の水から伝染病が発生しないこと、そして大海原へ出航する船の飲料水を保存するために銀の壷が積まれていたことなどは、当時の人々が銀の殺菌力に注目していた証拠となるでしょう。長い海洋生活の上で、欠かすことの出来ない飲料水を腐らせないために、銀の壷を使っていました。
 また、水道の蛇口に付ける浄水器にも銀が使われております。塩素が法令化で多用される以前は、日本でも直接飲料水の殺菌に利用された実例もあります。
 飲料用水に含まれうる金属イオンで有害性を認めうるものについては、日本の水道法の水質基準によって指標値が決められているのが普通ですが、銀に関しては指標値がありません。カナダでは当初0.05mg/lの規制値がありましたが1989年の飲料水品質用のガイドラインから銀を削除しました。
 米国環境保護局(USEPA)の飲料水規則でもPrimary standard(NPDWRs 水道水で守らなくてはいけない基準)では銀は規定されず、Secondary standard(NSDWRs 必ずしも守っていなくてもいい推奨基準)のほうで0.1mg/lの規制値があるのみです。
 世界保健機構(WHO)によっても、銀化合物による発癌性、急性暴露、慢性暴露による人体への影響はなく、0.1mg/lの銀の含まれた水を70年間暴露してもNOAEL(害にならない最大量)に満たず害はないとされています。(毎日2リットル、0.1mg/lの銀の含まれた水を70年間飲んだとしてもNOAELの半分)
また、銀イオンは塩化物イオンと結合して不溶性の塩になります。銀イオンは胃酸の中の塩酸に触れるとたちどころに不溶のAgClとなり、人体に吸収される心配はありません。(飲み込んだとしたらそのまま体外に排出されます)

銀の防臭効果について

 私たちの生活にはさまざまな臭いが溢れています。好い香りもあれば不快な臭いもあります。生ゴミなどの腐敗臭や、足や脇の臭い(体臭)、洗濯した衣服が生乾きのような状態で発する臭いなど、色々な要因で発生する嫌な臭いにも銀イオンは効果を発揮します。

 臭いが発生するメカニズムは臭いの種類によって様々ありますが、汗や皮脂・タンパク質などを細菌が分解する時や、細菌が大量繁殖する際に発生する成分が原因として挙げられます。

銀イオンにはそうした細菌などと結びついて最近の活動を抑制(死滅)させる働きがあります。臭いの発生源となる細菌の活動が弱まる、あるいは原因菌が死滅することによって、臭いの発生を防ぎます。

銀はその他の金属と比べて酸化力(対象となる物質から電子を失う力)が強く、あらゆるものを酸化します。物質の二重結合に作用して、臭い物質を別の物質に変えます。また、銀のもつ酸化力により銀イオンが細菌酵素中のSH基(スルフヒドリル基)と結合して、細菌のタンパク質を変性させ、細菌の活動を押さえ込むことによって抗菌効果が生まれるのです。

また、銀イオンは通常のアルコールとは異なり、揮発性がないため長い効果を期待することができます。

銀イオン除菌繊維 バクテリアバスター(Bacteria Buster)

 これらの通り、銀イオンは、食器をはじめ、様々な用途で使用されています。
この銀イオンの力を使って、何か出来ないかと考えて作られたのが、銀イオン練り込み繊維である、バクテリアバスター(Bacteria Buster)です。
 無機質ガラスに銀イオンを担持させた結晶を微粉末化し、これをポリエステルおよび、ナイロン繊維に練り込むことで、抗菌ポリエステル、抗菌ナイロンを実現しました。手袋に使用することで手の周りの抗菌を行ったり、肌着に使用することで汗や皮脂による菌の繁殖を抑えて防臭効果を発揮する、もしくは靴下に使用して、ニオイの原因菌の繁殖を抑えるなど、様々な使い方が思い当たります。
ちなみに、白癬菌に対しても除菌効果があります。
 さまざまな菌やウイルスが身の回りにある中で、衛生を守るために出来ることから始めましょう。

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