遠赤外線の可能性について

遠赤外線の可能性について キュアヘルツ

遠赤外線の可能性について

 現在、遠赤外線が引き起こす作用や効果について実に様々な事が言われています。
とくに、遠赤外線を利用したと称する商品の開発者や販売者が、自社商品の優位性を主張しようとして、市場に発信する情報には、科学的根拠を疑わざるを得ないものも少なくありません。
 そのため、ここでは、遠赤外線に「できること」「できないこと」、もしくは「可能性はあること」についてまとめてみました。様々な遠赤外線にまつわる商品が世の中で販売されていますが、遠赤外線のポテンシャルを見極め、商品の真偽を見極める一助になればと思います。

遠赤外線に確実に出来ること

  1. 分子振動・回転に対する作用
    >元々から言われている遠赤外線と物質間の作用であり、遠赤外線を吸収した物質側での振動励起による温度上昇(加熱効果)という形で、実験上でも確認されている。

 これについては、難しい話ではなく、コタツや電熱ストーブをイメージしてもらえると判ると思います。電熱線を熱する(高温にする)ことにより、そこから遠赤外線(目に見えない)が放射され、これを物質が吸収することにより暖まります。

遠赤外線の可能性について

遠赤外線で起こる可能性があること

  1. 液体もしくは気体分子の運動状態が変わる。
    >分子の非対称振動モードによる、並進運動エネルギーのレベルは、遠赤外線のエネルギーレベルと一致する。したがって、分子運動を加速したり、方向を変えたりする可能性はある。
  2. 分子の立体構造が変わる。
    >結合の解裂と再結合を伴わずに、分子回転のみで分子構造が変わる立体異性体変化は、遠赤外線よりも低いエネルギーレベルでも起こる。
  3. 凝固・融解・蒸発などの物質の「相変態」における状態変化。
    >個体→液体、液体→個体、液体→気体、気体→液体などの状態変化における物質の内部エネルギー変化量には、遠赤外線エネルギーを下回るものがある。(例えば評決時における結晶の微細化や過冷却温度範囲の遷移など)

遠赤外線で起こるか否か、微妙なもの

  1. 水素結合の解裂による水分子クラスターの細分化
    >水素結合エネルギーは4~8kcal/molであり、再結合するまでの10-12sec以内に、同時に2か所以上を切断しなければ細分化は起こらないので、その可能性はあまり大きくない。
  2. 酸化還元反応
    >遠赤外線のエネルギーは、酸化還元反応の化学ポテンシャルより低いので、起こし得ない。ただし、元々起こる条件が備わっている系では、反応が加速される可能性はある。

遠赤外線では決して起こらないこと

  1. 遠赤外線放射材料から電子が放出される
    >物質から電子が放出されるのは特別の材料、温度、電気的条件が満たされた場合の事象であって、遠赤外線とはまったく無関係。
  2. 電子の玉突き/電子ナダレが起きる
    >これはX線や放射線などの、高エネルギー電磁波と物質との相互作用で起こるものであり、遠赤外線のような低いエネルギーでは、到底起こりえない。 
  3. マイナスイオンの発生・中和
    >詳細は下段の通りで、イオン化は無理である。また、電離(解離)は+/-がついになって発生するので、一方だけが出来ることはない。
  4. 遠赤外線を照射するとイオン(またはマイナスイオン)が生成する
    >遠赤外線のエネルギーは以下の表の通りであり、一方、分子のイオン化ポテンシャル(または解離エネルギー)は、下記などであり、遠赤外線のエネルギーは、これらよりはるかに小さいので、イオン化は起こらない。
    <イオン化ポテンシャル(解離エネルギー>
      H20 → H + OH  : 12.61eV
      Cl2  → 2Cl + 2e  : 11.51eV
      Al  → Al3 + 3e  : 5.98eV
eVkcal/mol
30.4119.47
50.2475.69
100.1242.86
200.0621.43
遠赤外線のエネルギー

遠赤外線の非熱的作用による効果

 遠赤外線の本来の作用である「分子振動励起」による物質の選択的、かつ有効な加熱のほかに、「常温下で人為的な熱源を持たない物体からの遠赤外線効果」を標榜する商品が市場に登場してから、すでに十数年が経過しています。
 この間に、市場に登場したこれらの「非加熱効果商品」は、ある意味では遠赤外線市場を活性化させたが、一方で、商品説明のために一般の科学常識では考えられないような「珍説」を持ち出すことで市場を混乱させたのも事実である。下記に、真偽のほどは別として、紹介されている様々な効能をご紹介します。

遠赤外線の「非加熱効果」と言われているもの

 下記はいずれも遠赤外線の効果としては本来起こりえないものです。
その他にも色々な事が言われていますが、これらの効果はいずれも「遠赤外線本来の作用である放射加熱上の有効性とは異質のもの」であり、もしその商品においてこれらの効果が事実ならば、遠赤外線以外の別の作用メカニズムを想定する必要があります。
 「遠赤外線の効果」として下記を標榜して販売している商品には疑いの目を持っていただき、データ(効果の結果)が示されているものであれば、測定環境の確認を含めた詳細データの確認の可否を確認することが重要ですし、遠赤外線以外の作用によってそれらに影響している事を考える必要があります。

水の改質・状態変化

  1. 水が美味しくなる
  2. 水が腐らない
  3. カルキ臭が消える
  4. 溶存酸素濃度が高くなる(通常10ppm以下が2~3倍に増加)
  5. 霜が付きにくく、除去しやすい
  6. 生け花の日持ちが延びる
  7. 水槽内の活魚が永持ちする
  8. 水槽内のアオコ(藻)の発生が少ない
  9. しおれた野菜がみずみずしく蘇生する
  10. 水耕栽培用水が長期間最良の状態に維持でき、野菜の品質が良い
  11. 浴槽の水が1か月以上循環使用できる
遠赤外線の非加熱効果
水の改質・状態変化

食品の改質・味覚の向上

  1. ウイスキーの水割りや酒の味がまろやかになる
  2. お茶やコーヒーの味がまろやかになる
  3. 冷蔵庫内での食品からの脱水が抑制され、おいしさが保たれる
  4. 漬物の塩気がまろやかになり、味が良い
  5. タバコがまろやかな味になる
  6. 遠赤外線で解凍した食品は、ドリップの分離が少なく味が良い
  7. 酸味の強い果実の甘味が増加した

食品の鮮度保持

  1. 飲料水が3年以上保存できる
  2. 段ボールは来ないのキャベツが通常3週間で完全に腐敗したが、セラミックシートの内張りにより腐敗が防止できた
  3. 天然石のプレートで鮮魚の鮮度保持期間が大幅に延びた
  4. 刺身が調理してから48時間後でも鮮度が十分
  5. 遠赤外線セラミックス処理水による回答で時間短縮と味の向上

人体保健・治療効果

  1. 遠赤外線セラミック入り歯ブラシで歯茎の血行促進と歯肉炎の防止
  2. 体が温まり、血行促進ができる(ベスト、肌着、シーツ、布団、手袋など)
  3. 足先の保温、血行促進と水虫の防止(靴下、インソール、靴の内張り)
  4. 火傷、皮膚炎症の治癒促進(セラミック入り包帯、サポーターなど)
  5. 手術後の痛みの緩解
  6. 睡眠における熟睡効果(寝具、枕など)
  7. 腰痛・肩こりの緩解、筋肉疲労の回復効果(腹巻、ベスト、マットなど)
  8. 目の疲れの回復が早い(アイマスク)
遠赤外線の非熱効果
人体保健・治療効果

害虫・微生物(最近・細胞など)への効果

  1. 水槽内にアオコ(藻)が生えない
  2. ゴキブリ、蚊、ハエ、ダニ、シロアリなどが寄り付かない
  3. 衣類・毛皮の保存時に虫が付かない
  4. 大腸菌、ブドウ状球菌、桿菌などに対するハロー効果(抗菌作用)がある
  5. アブラムシの忌避効果によりウイルス病の防除が出来る
  6. 牛乳内の雑菌数が少なくなる
  7. 湿気の多い場所でカビが生えない

環境保全・改善効果

  1. 天然石タイルで地下店舗(パブ)内の悪臭が消えた
  2. 遠赤外線セラミック入りカーペット、壁紙、カーテンで室内の臭気が消えた
  3. 冷蔵庫の冷凍室内に霜がつくにくくなり、除霜もやりやすい
  4. 熱源を用いなくても解凍や融氷、融雪が出来る

まとめ

 このように、一見乱雑に列挙された作用効果の中で、共通点を見出すとすれば、多くのケースに「水が関与」していることと、「生物細胞の挙動」や「生体の生命活動」に関わるものが多いことに気付きます。これらの「効果」の大部分は、商品を市場に出している企業が、そのカタログやPR資料の中で記述しているものであるが、肝心の使用材料の履歴や特性データが示されておらず、「効果」についても、科学的な追試が可能な実施方法や実験条件が示されていないために、第三者が作用効果の検証に踏み込むことができず、このことがいっそう市場の混迷を深める結果となっています。

著書:実用遠赤外線 初版第一刷 1999年2月27日

編著者:高田紘一・江川芳信・佐々木久夫

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