ホルミシスとは
ホルミシスとは高濃度であれば有害、ないしは致命的である物質が、低濃度で用いられると有効な刺激作用を果たすという現象をギリシャ語の「刺激する”hormaein”」という言葉に由来して作られた用語です。
「ホルモンのような働きを果たすもの」と言った意味で使用されますが、一般に「ホルミシス」とは、ある物質が低用量で用いられたときに起こる誘導的な、あるいは有益な効果を指します。同じ物質が大容量で用いられたときにみられる有害、あるいは致命的な影響からは推定がつかない現象のことを言います。
ホメオパシー(同種療法)について
ホメオパシー(同種療法)とは、欧米でもっとも歴史のある代替医療です。
植物・鉱物・動物など、自然の材料から得た薬を、大量の水で希釈したものを服用することで病気を治すという手法です。
この「ホメオパシー(同種療法)」を発見したのは、ドイツ人医師のハーネマン※1ですが、カレンというスコットランドの医師が書いたある本にヒントを得たようです。この本にはマラリアの特効薬について、「キナノキの皮が苦いから、マラリアに効く」と書かれていました。現在良く知られているように、キナノキにはキニーネという特効成分が含まれていて、これがマラリアに効果を持っているのですが、当時ハーネマンは、カレン※2が書いた内容に疑問を抱きます。「苦いものは多々あるのに、なぜキナノキの皮だけがマラリアに効くのか」という疑問です。
そこでハーネマンはマラリアにかかっていた訳ではなかったのですが、キナノキの樹皮の抽出液を自ら飲んでみました。するとマラリア特有の悪寒、脱力感、発汗などの症状が現れました。キナノキの樹皮の成分が、健康な人にマラリアの患者と同じ症状を作り出すのです。キナノキだけではなく、健康な人が服用すると、ある病気に特有の症状が現れるようなもの(植物・鉱物など)が、その病気を治せるのではいかと考え、ハーネマンはその種の薬物を次々に発見しました。ハーネマンはこの治療法にギリシャ語の”homoios(類似)”と”pathos(病)”から、「ホメオパシー”homeopathy”」という名称を造語しました。
ホメオパシーは、次の2つの原理に基づく療法です。
(1)類病は類薬で治療する。
(2)極微量になるまで希釈して投与する
投与される薬は3,000種を超え、約70%が植物系、その他は鉱物・動物系ですが、ほとんどが自然界に存在するものだけが使用されます。ハーネマンの時代に、「ホメオパシー」が絶大な治療効果を示したため、当時の医者の猛反発を受けますが、これを信任する患者がどんどん増加し、遂には欧米の一般社会に認知された療法として地位を認められ、専門学校が設立されるまでになりました。
ところがアメリカ医師会と製薬会社の強大な反対運動や、新薬(ペニシリンなど)の登場により20世紀中頃には、ほとんど衰退してしまいました。
しかし、その後の医学は高度化が進むにつれて極端に細部化されており、治療現場の現実を見ると、患者本人に治療を施すというよりは、「疾患」に対して治療が行われているように見えます。特に慢性疾患については、近代の医療(西洋医学)には限界があることを感じている医師や患者が増えつつあるのが現状です。
現在では、こうした近代医療の行き詰まり感や自然回帰の風潮から、ハーブ療法、アロマセラピー、ホメオパシーなどの代替医療が着目されています。患者の一人ひとりに包括的治療を行おうという動きであるとも言え、特にアメリカではその傾向が顕著に見られ、ホメオパシーが市民権を回復したとも言われています。日本でも、「日本ホメオパシー医学協会」や「日本ホオメオパシー振興会」が設立されるなどの取り組みが始められています。
※1Samuel Hahnemann(1755-1843)は「健康な人にある症状を引き起こす物質は、病気の人に現れる同様の症状を治癒させる」という現象を繰り返し確認し、「薬品が小用量で用いられると、ダイナミックな効果を顕す」と言っています。
※2William Cullen グラスゴー大学教授、ついでエディンバラ大学教授。”Treatise of the Materia Medica”(1790年)
刺激性物質の用量
毒性学の世界で、21世紀に入って極めて重大な発見があり、大きな問題になっています。
高濃度では毒性がある農薬が、低濃度では害虫を逆に増殖させる効果があることが確認されたからです。農薬を散布した地面を流れる雨水が、河川系に入ってさらに薄められることにより、かえって害虫の成育を促進したことになります。農薬を使用することについて、環境管理の点から根本的な見直しを迫られることになりました。
よく知られているように毒性物質は、高用量では代謝を抑制し、究極的には死をもたらします。
ところが、低用量では刺激性(興奮性)の効果を発揮することが確認され始めたのです(ここで言う「刺激性」とは、生体に有効な現象を誘導する反応という意味です)。
全ての物質が低用量では刺激作用をもつという定説が、「毒物」(農薬や発がん物質を含めて)にも当てはまることが改めて確認されたのです。
ホルミシスについて
「ホルミシス」という言葉は、「刺激する”hormaein”」に由来して作られました。
C.SouthamとJ.Erlishという二人の研究者が1943年にこのような事実を発見しています。
オークの樹皮からの抽出物が、高濃度の時は菌類の成長を抑制するが、低濃度では菌類の成長を促進するという事実です。二人は樹木の分泌物(フェノール系物質で菌類による腐食を防ぐ働きがある)が、どんな濃度であれば有効であるかを研究したのです。菌類の成長阻止に必要な最低量を探るため、抽出液をどんどん希釈して行った所、予想外のことに希釈液では菌類の成長が逆に促進されてしまうことを発見したのです。この逆説的な現象、つまり高濃度であれば有害もしくは致命的であるはずの物質が、低濃度で用いられると有効な刺激作用を果たすという現象を、「ホルミシス」という新しい用語で表すこととしたのです。
放射線ホルミシス
言うまでもなく、短時間に一度に浴びる高レベルの電離放射線は有害です。ところが、ヒトの臨床研究と動物実験から得られた膨大なデータから、低レベルの放射線には生体機能を刺激する働きがあることを示しています。
この事に着目されたのは、ラッキー博士(Thomas D Luckey)が、微量の放射線を当てると免疫系が強くなる、ガンにかかりにくくなる、幼少のころから与えると背が伸びやすくなる、生殖力が強くなる・・・と、多方面でバイオポジティブ(整体活性)な効果を示すという論文を書いたのが事の発端です。(1982年「米国保健物理学会誌」Health Physics 12月号)
1950年代に、ラッキー博士は少量の飼料用抗生物質が家畜の急激な成長を促すことを示しました。
ラッキー博士の当初の仮設は「抗生物質(ストレプトマイシン)を与えると、腸内細菌が宿主にビタミンを供給することができなくなり、その動物はビタミン欠乏症を呈するはず」というものでしたが、予想に反してストレプトマイシンを与えられた鶏の成長は、対照群(ストレプトマイシンを与えられなかった鶏)に比べてより促進されました。それ以来、世界中で家畜の飼料への抗生物質の添加が始まったのです。後年、このラッキー博士が、低線量の電離放射線によってもホルミシスが効果的に誘導されることを多くのデータから証明し、この現象を「放射線ホルミシス」と呼びました。
1982年にラッキー博士により「放射線ホルミシス」に関して体系的な報告が行われて以降、1991年までに低レベル電離放射線の効果に関して2,000件もの論文が発表されています。
ホルミシス(刺激誘導現象)とホメオパシー(同種療法)
ホルミシス(刺激誘導現象)と、ホメオパシー(同種療法)は混乱を招きやすい用語です。
「ホルミシス」は「科学」の一分野であり、「ホメオパシー」は「療法」です。
科学には、医師と患者の問に見られるような微妙なニュアンスが入り込む余地がありません。科学は、複雑な現象の諸要素を単純化し選別しようと試みます。科学は、厳格な対照実験と多方面の知識の収集を要求します。
療法は、個々の患者さんの病状が変化するのに伴って、絶えず複雑に変化する諸条件を受け入れます。療法には、個人の信念、希望、信仰心や祈りが入り込みます。
ホルミシスが一般に通有の現象であるのに対して、「ホメオパシー」が対象とするのは、個々の病気に有効なたった一つの、あるいは極めて少数の特定物質であるという点に両者の相違点があります。
ホルミシスは生殖、成長、神経・筋肉の発達、知能・記憶の発達、病気への抵抗力を促し、ガン死亡率を低下させ、平均寿命を伸ばしてくれます。
ホルミシスとホメオパシーの共通点
- 大用量は有害である
- 適用量が重大な要素である
- 少量は有益である
- 意外な物質が有効である場合がある
- 反応は数時間のうちに始まる
ホルミシスの特徴
- 非特定の物質が作用する
- 統計学的に有効なデータがある
- 免疫力も関係する
- 病人・健常者に有益
- 月・年単位で有効
ホメオパシーの特徴
- 特殊な物質だけが作用する
- 極微量で作用する
- 療法的使用が基本
- 心因的要素も大きい
- 初期効果は短期的である
日本でのホルミシス効果に関する研究について
1984年、「少量の放射線は免疫機能を促進するなど、身体組織に活性化をもたらし、生殖機能を増大させ、寿命を伸ばすなど、多方面でバイオポジティブ(生体活性)な効果を示す」というラッキー博士の論文のコピーを読んだ電力中央研究所の服部禎男博士は、衝撃を受けました。
少しでも放射線は有害であると学んで仕事に取り組んできたそれまでの自分および周りの仲間たちの常識とはあまりにもかけ離れた主張であったためです。
1985年1月、服部博士は米国電力研究所(EPRI)の理事長フロイド・カラー氏にこの論文のコピーを同封して、米国側の責任ある見解を要求した激しい内容の手紙を送達しました。
米国電力研究所(EPRI)とエネルギー省(DOE)による共同依頼が、カリフォルニア大学医学部に出され、同大学はラッキー論文の検討会をオークランドで開催したのです。(1985年8月)
当初、20名ほどの医学者を集める予定で開催を発表した所、これに関心のあった科学者たちが世界中からデータ持参でオークランドに参集し、最終的には100名を超える専門家による会議に膨れ上がりました。以降、この会議は「放射線ホルミシス第一回国際シンポジウム」と呼ばれることになります。
日本でも電力中央研究所が、まず文献などで検討を続け、「ラッキー教授の主張がもし正しいのであれば、我々も社会も重大な誤りを犯している。電力中央研究所はこの問題を十分解明する責任がある」との視点で、1988年から多くの大学医学部や放射線医学総合研究所と共同研究を開始しました。
この時すでに東北大学医学部(坂本澄彦教授)らの研究グループでは、低レベル全身照射をすでに臨床に適用してガンのさいはつを抑制していることが判明します。20年以上にわたる基礎研究の成果に基づき、患者の承諾を得たうえで低線量照射による臨床治療が既に行われており、在来の方法では悪性リンパ腫の生存率は50%ですが、坂本流の全身(または上半身)への低線量照射併用では84%の生存率になったのです。すでに「直線仮説」が臨床の場でも否定されていたのです。
日本における実験結果
上記を受けて電力中央研究所では、多くの専門家に動物実験を依頼し、下記のような報告が集まりました。特に最後の5)にあるように、従来ではいわゆる難病と考えられてきた疾病の「進行を阻止し、快復させる」とある点に注目していただければと思います。放射線ホルミシスが生活習慣病や慢性疾患に効果が期待できるという点が、何よりも素晴らしい事と感じます。
1)上記の東北大学の成功を坂本教授は免疫系の活性化で説明されましたが、もう一つ、ガン抑制遺伝子活性化のデータによっても説明出来ることが解明されました。
「p53遺伝子」が活性化し、DNA修復能活性化のほか、細胞のアポトーシスによるガン細胞のような異常細胞排除能※3の向上が寄与していることが判ったのです。(奈良医科大学・大西教授)
2)ラジウム温泉など低線量放射線による不老長寿の効果が、三要素「老化を防ぐSOD酵素の増加」「細胞の酸化で生じる細胞膜過酸化脂質の現象」「脳細胞膜の透過性の上昇」によって示されました。(岡山大学・森教授、電中研・山岡研究員)
3)低レベル放射線の事前照射が、フリーラジカルの危害を抑える抗酸化物質の生成に加えて、DNA修復能の上昇やアポトーシス機能の高揚を促すことが考えられますが、あとの致死レベルの放射線に対しても極めて抵抗力の強い状態を作り出すという生体反応が示され、「生命体の適応応答現象」として国連科学委員会報告書(1994年)に盛り込まれました(大阪府立大学・米沢教授)
4)三朝温泉に近い場所のラジウム温泉水(池田鉱泉水)を用いた実験で、ウサギのラドンガス吸入により、インシュリン(糖代謝)のほか、メチオニンエンケファリン(鎮痛)、ベータエンドルフィン(壮快)、アドレナリン(活発)などのホルモンが増加することが確認されました。(岡山大学・古元教授、電中研・山岡研究員)
5)SODの増加だけでなく、細胞の酸化を阻止する酸素グルタチオンペルオキシダーゼの大幅な増加も確認されました。このことから、活性酸素によって局所の細胞が酸化消滅することが主な原因の一つと考えられる、次のような多くの難病の進行を阻止し快復させることが予想されます。
糖尿病、C型肝炎、筋萎縮症、アルツハイマー、パーキンソン病、リウマチ、アトピー、各種アレルギー、老人性痴呆症(東京大学・二木教授、高橋助手、電中研・山岡研究員)
※3DNA以上など、細胞に本質的な異常が発見されると、その細胞のみならず、周辺からも自殺司令が出て、核破砕という足趾的な細胞自殺が起こるが、これをアポトーシス(apoptosis)という。アポトーシスでは細胞が委縮・断片化し、核自体の崩壊を伴うことも多く、細胞が内外の状況を自主的に判断して選んだ死、文字通り積極的な「自爆」である。これに対して「壊死」(necrosis)は、細胞が膨張・破裂して起こる細胞死で、細胞が生きられないような重い障害や環境の激変に遭遇して起こる受け身の死である。
ホルミシス効果のメカニズム
まだ必ずしも「放射線ホルミシス」のメカニズムの全貌が解明されたわけではありませんが、それでも各大学医学部で、哺乳動物による実験や人間の臨床治療を通じて、低線量放射線(年間の自然放射線量の約10倍から100倍の量の放射線を数10病以内で照射)による「ホルミシス」の現象が続々確認されています。
①DNAの修復とアポトーシス(分子レベル)
これは生命体の適応応答であり、低レベルの電離放射線が、DNAの修復に関与する特殊なタンパク質の産生を促します。マウスへのX線全身照射で確認されたところによると、照射しない場合に比べてあらゆる臓器の細胞でガン抑制遺伝子p53が作るタンパクが飛躍的に増加を見せました。遺伝子修復機能と細胞のアポトーシス機能の活性化が促されるわけです。
②フリーラジカルの無毒化(分子レベル)
1987年、ファイネンデーデン(Ludwig E. Feinendegen)博士とその共同研究者によって証明されたことによると、低線量の電離放射線には、DNA合成を一時的に抑制する働きがあります(照射5時間後に抑制の度合いが最大になる)。このDNA合成作用の一時的停止は、照射を受けた細胞が時間をかけて自己修復するための時間を与えてくれます。また、その間にフリーラジカルのスカベンジャー(掃除屋)の産生が促され、照射を受けた細胞がさらに照射を受けた際、それに対する抵抗力が高くなるのです。マウスの全身にX線を照射すると、活性酸素に対抗して身体を守る抗酸化物質SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)やGPX(グルタチオンペルオキシダーゼ)が増加することが確認されています。
③免疫系の刺激(細胞レベル)
短時間に一度に照射される高線量の電離放射線は、免疫機能を抑制しますが、数多くの研究が、低線量の放射線には免疫系の機能を上昇させる働きがあることを示しています。古くは20世紀初頭、低線量放射線を受けたマウスは細菌性疾患に対し、より高い抵抗力を示すことが確認されています(Russ 1909年)が、後年にラッキー博士は低線量電離放射線がもつ免疫刺激作用を証明する多くの実例を集めて発表しています(Luckey 1982年)。その後、東北大学による動物実験や臨床研究でも、免疫系で重要な役割を果たす「ヘルパーT細胞」の増加が確認されています。
④中央電力研究所のまとめ
上記を含め様々な実験を行った結果、放射線ホルミシス効果に関して、最終的に下記の効果が確認されました。より詳しい内容として、興味のある方は是非とも下記の画像からリンク先を参照してみて下さい。
放射線について
既に書きましたが、短時間に一度に浴びる高レベルの電離放射線は有害です。
「放射線ホルミシス効果」が現れるレベルと、放射線が有害作用をもたらすレベルには大きな差があることに注意してください。毎日適量たしなむ酒は「百薬の長」ですが、同じ酒でも「一気飲み」すれば、命取りになるのと同じことです。
醤油も、少しつけると美味しいですが、大量に飲むと死にます。
※食塩の半数致死量(LD50)は3g/kgとされており、60kgの人なら180gが致死量となります。醤油の塩分濃度は種類にもよりますが15-18%であり、1リットル飲むと致死量となります。余談ですが、海水の塩分濃度は約3.5%です。
「LNT仮説」とは
広島・長崎への原爆投下後、被ばく生存者の寿命について研究が重ねられるにつれ、「ガン死と高線量率高線量の放射線」との間には直接的な関係があると発表されました。これは原子爆弾のような例外的に高い線量率の高線量被ばくで、放射線量と死亡率との間に直接的な比例関係がみられるというものです。そこで国連の放射線の影響に関する科学委員会(UNSCEAR)は、(生命にとって最も大切な「線量率」の概念をもたないまま)これを低線量域にまで拡大して、1958年に「直線的無閾値仮説」(しきい値なし直接仮説)Linear No-threshold(LNT)Theoryを提示することとなります。
このLNT仮説の骨子は下記の2点ですが、ただし、両方とも成立の根拠がなく、LNT仮説そのものが誤りなのです。
1)低線量の電離放射線による影響は、高線量で観察される影響から(直接的に外装することにより)推定することができる(外挿[補外](Extrapolation)とは、観測された値から、実際に観測されていない未確認領域の変数値を推定すること)。
2)放射線には、一切安全な線量域というものはない。なぜなら、極めて低い線量の電離放射線でも、何らかの生物学的悪影響を必ず発生させるからである。
1959年国際放射線防護委員会(ICRP)がこのLNT仮説を採用してしまいました。ところが、その後のあらゆる研究成果がLNT仮説が成立しないことを示しています。
ある線量(しきい値)以下であれば、無害であるばかりでなく、一定の範囲内の線量(あるレベルの線量以下以下で、自然放射線以上)は人体の健康に有効であることが、各方面からの無数の研究結果から明白となっています。
X線などの放射線が発見された当初(19世紀末から20世紀初頭)は、X線などの放射線が人体に有益なものと信じられていたことがあり、第二次世界大戦後には一転して極微量ですら有害なものであると法制的に定められました。
放射線だけは、どんなに少量でも異常に怖がり、まったく受け入れないということは、「一度にどんぶり一杯の塩を食べると体にとっても悪いから、塩は全く摂らないようにする」というのと同じ考えです。毎日適量の塩を摂らなければ我々は生きていくことが出来ません。
1980年初頭から今日までに積み重ねられた研究成果により、「低レベルの放射線は必要かつ有益である」ことが判っており、これを正しく理解して活用していくことが必要とされています。
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